電気モーターを理解する:知っておくべきこと
早わかり回答
電動モーターは、ある回転数範囲にわたってトルクを発生します。巻線に流れる電流が磁界と作用して回転子に力が生じ、回転子半径の位置でその力がトルクになります。トルクに角速度を掛けると機械出力です。銘板には、定められた運転点における定格データが記載されています。選定では、トルクが回転数に対してどう変わるか、損失がどこで発生するか、負荷曲線とモーター曲線がどこで交わるか、そしてモーターがどのように整流するかを比較します。
kW 定格だけでは、そのモーターが機械に合うかどうかは分かりません。本稿ではモーター選定で使うトルク―回転数の考え方を説明します。計算式、選定の計算例、トラブルシューティングについては電動モーターの基礎を参照してください。
トルク―回転数特性
電動モーターは、電気入力をある回転数におけるトルクに変換します。巻線の電流が磁界と作用し、回転子に力を生みます。回転子半径の位置に働く力がトルクを生み、トルクに角速度を掛けたものが機械出力です。
モーターのトルクは回転数によって変わり、その熱的な限界が、ある負荷でどれだけ運転できるかを決めます。銘板はその曲線上の定格点を示すものです。選定では、モーター曲線と負荷曲線が使える回転数で交わること、そして運転点がモーターの熱的限界内に収まることを確認してください。
同じ出力定格の2台が、それぞれ別の負荷に適することもあります。4kW・1440rpm のモーターはポンプやファンに適し、4kW のギヤモーターで340rpm を出すものはミキサーやホイストに適します。低速側は約4倍のトルクを出すので、両者は互換ではありません。
最初の選定確認では、必要な回転数でモーターがどのくらいのトルクを、どれだけの時間出せるかを問います。出力定格だけでは、そのどちらにも答えられません。
出力と回転数からトルクを計算する
提示された出力・回転数・トルクが整合しているかは、次の換算で確認できます。
T (N·m) = 9550 × P (kW) / n (rpm)
同じ出力定格をいくつかの一般的な回転数に当てはめると、トルクが回転数にどれだけ強く依存するかが分かります。
| 同じ4kWで回転数が違う場合 | 定格トルク | 適する用途 |
|---|---|---|
| 2880rpm(2極) | 13.3N·m | ファン、高揚程の遠心ポンプ、鋸 |
| 1440rpm(4極) | 26.5N·m | 産業用途の標準的な選択 |
| 960rpm(6極) | 39.8N·m | コンベヤ、破砕機、大型ファン |
| 340rpm(4極+減速機) | 112.4N·m | ミキサー、オーガ、ホイスト(減速機経由) |
大型のモーターは定格回転数でより大きなトルクを出せますが、回転数自体は電源周波数と極数で決まります。過大な選定は負荷率を下げ、後述するように効率に影響します。トルク・回転数・熱的容量は、たとえ一つの仕様書にまとまっていても、別々に確認すべき項目です。
既知のトルクと回転数から出力を求めるには、同じ式を変形します(モーターのトルクの計算方法)。極数と同期回転数の関係はモーターの極数で解説しています。
モーターの損失はどこで発生するか
モーターの損失は熱になり、その熱が、ある負荷でどれだけ運転できるかを左右します。下表は代表的な5つの損失と、それぞれが負荷に対してどう変化するかを示します。これらを合わせると、効率が運転範囲によって変わる理由が説明できます。
| 損失 | 発生箇所 | 負荷に対する変化 | 定格負荷時のおよその割合 |
|---|---|---|---|
| 固定子銅損 | 巻線抵抗における I²R | 電流の2乗に比例、すなわち負荷の2乗に比例 | 約3分の1 |
| 回転子銅損 | 回転子バー(かご)の I²R | すべり×エアギャップ動力に比例 | 5分の1 |
| 鉄損 | 鉄心のヒステリシスと渦電流 | 磁束の2乗×周波数に比例、負荷に対してほぼ一定 | 5分の1 |
| 機械損(摩擦・風損) | 軸受と冷却ファン | 回転数に比例、ファン分は回転数の3乗に比例 | 約10分の1 |
| 漂遊負荷損 | 漏れ磁束、表皮効果、製造ばらつき | 電流の2乗に比例 | 残り |
半負荷では、固定子銅損は電流の2乗に比例するためおよそ4分の1に減ります。回転子銅損も負荷とともに減りますが、正確な関係はすべりと運転条件で変わります。鉄損・摩擦・風損は負荷による変化がずっと小さい。その結果、多くのモーターは全負荷より下、しばしば4分の3負荷あたりで最高効率に達しますが、その点はモーターによって異なります。大幅に過大なモーターは温度が下がる一方、効率は悪くなることがあります。
回転数も損失と冷却に影響します。摩擦・風損は回転数が上がると増えます。低回転ではシャフト直結ファンも遅く回るため、冷却が落ちます。こうした運転条件は、効率試験で使う定格点と異なることがあります。IEC 60034-2-1は、試験から損失と効率を求める方法を規定しています。
運転点の求め方
モーターと負荷の両方について、トルクを回転数に対して描いてください。運転点は2本の曲線が交わるところです。モーターがその点に到達できない場合、原因は出力定格だけではなく、要求される回転数やトルク、あるいはモーターの熱的限界にある可能性があります。
大半の機械は3つの負荷曲線で足りる
| 負荷の種類 | トルクと回転数の関係 | 出力と回転数の関係 | 例 |
|---|---|---|---|
| 定トルク | 一定 | 回転数に比例 | コンベヤ、一軸ねじポンプ、ホイスト、容積形圧縮機 |
| 二乗低減トルク(可変トルク) | 回転数の2乗に比例 | 回転数の3乗に比例 | 遠心ポンプ、ファン、ブロワ |
| 定出力 | 回転数に反比例 | 一定 | 基底速度以上の工作機械主軸、巻取機、センター駆動の巻出し |
負荷曲線は、速度制御の価値を左右します。二乗低減トルクの負荷では、相似則により回転数を20%下げると出力要求は約51%になります。定トルク負荷では、同じ20%の減速で出力要求は約20%下がるだけです。ファンで得られた削減効果をコンベヤに当てはめてはいけません。実揚程も結果を変えます。ポンプ用モーターの用途の計算例を参照してください。
運転点から外れたときに起きること
加速中に負荷が要求するトルクにモーターが届かなければ、機械は失速し、モーターは拘束電流に近い状態にとどまることがあります。運転回転数での不一致も、過電流と過熱の原因になります。モーターの定格を上げる前に、モーター曲線と負荷曲線を確認してください。同じ回転数で容量だけ大きいモーターでは、不一致が解消しないことがあります。
モーターのトルク―回転数曲線には、始動トルク、最大トルク、すべり特性が含まれます。これらは出力定格だけでなく、モーターの設計で決まります。汎用モーターでは、これらの特性を表す NEMA の4つの設計記号を解説しています。
検討すべき4つのモーター形式
物理の教科書には、圧電・静電・磁気でモーターを分類するものもあります。しかし機械設計者の実務では、機械に使われる磁気式モーターの間での比較が現実的です。圧電モーターはカメラのオートフォーカスや超音波アクチュエータに、静電モーターは MEMS や高電圧研究に現れます。産業用モーターの実用的な分け方は、電流をどのように整流するかです。
ブラシ付き DC:機械式整流
整流子とブラシが回転子電流を機械的に切り替えます。始動トルクが大きく、制御は電圧一つで済むため、この形式は今も電動工具、自動車の補機、安価なポンプで使われています。代償はブラシです。摩耗し、火花を出し、数百時間から数千時間という保守間隔を課します。その構造の組み立て方はブラシ付き DC モーターで扱っています。
ブラシレス DC と PMSM:電子式整流
三相ブリッジと回転子位置情報が、ブラシと整流子を置き換えます。ブラシ摩耗はなくなりますが、軸受などの部品の保守は残ります。電子式整流は、モーターとコントローラの組み合わせ次第で、特に部分負荷での効率を改善できます。モーターにはコントローラが必要で、その電流制限が得られるトルクを決めます。動作原理はBLDC モーターの仕組みを参照してください。
AC 誘導機:すべりによる整流
固定子磁界が、電気的な直接接続なしに回転子かごへ電流を誘導します。回転子は磁界よりわずかに遅れて回り、このすべりがトルクを生みます。誘導機は堅牢な構造と kW あたりの低コストから、産業用駆動で広く使われています。電源に直入れした場合、通常負荷では回転数は同期速度に近いままです。可変速が必要なときにドライブを使います。詳細はかご形誘導電動機の用途とBLDC と誘導機の比較を参照してください。
位置決め用のステッピングとサーボ
ステッピングモーターとサーボモーターは、制御方式は違いますが、位置決め用としてまとめて扱われることが多い形式です。ステッピングは零速でトルクを保持し、フィードバックなしで一定の刻みで動きます。サーボはループを閉じ、コストと引き換えに動特性を得ます。どちらもモーション制御の一部で、ステッピングの原理はステッピングモーターの仕組みで解説しています。
| 形式 | 始動トルク | 速度制御 | 摩耗部品 | 最初に選ばれる用途 |
|---|---|---|---|---|
| ブラシ付き DC | 大きく、電圧一つで得られる | 電圧で、安価に | ブラシ(数百〜数千時間) | 工具、補機、低コストポンプ |
| BLDC / PMSM | 大きく、コントローラ電流で制限 | 電子式で、広範囲 | 軸受のみ | バッテリー機械、ポンプ、芝刈機、ファン |
| AC 誘導機 | 中程度、直入れで6〜8倍の突入 | ドライブなしでは1速のみ | 軸受のみ | 産業用ポンプ、ファン、コンベヤ |
| ステッピング | 零速で大きな保持トルク | パルスレート、オープンループ | 軸受のみ | フィードバックなしの位置決め |
| サーボ | 大きく、過負荷能力あり | クローズドループ、高帯域 | 軸受、エンコーダ | ロボティクス、CNC 軸 |

銘板の読み方
銘板は、モーターの主要な定格と使用限界を凝縮したものです。まず用途に合うかどうかを決める項目から見てください。出力、回転数、電流、電圧、周波数、定格、取付方式です。
| 項目 | 意味 | 誤読のしかた |
|---|---|---|
| 定格出力 | 定格点における軸の機械出力 | 電気入力と取り違える。入力は損失の分だけ大きい |
| 定格回転数 | 定格負荷時の軸回転数(すべりを含む) | 同期速度と混同する。4極50Hz の誘導機の同期速度は1500rpm |
| 定格電流 | 定格負荷・定格電圧時の線電流 | 始動電流と混同する。始動電流は6〜8倍 |
| 電圧と周波数 | 磁束を決める組み合わせで、独立した2つの限界ではない | 範囲として扱う。重要なのはその比 |
| 力率 | 定格負荷時の有効電力と皮相電力の比 | 無視して、電源を kVA ではなく kW で選んでしまう |
| 効率クラス | 規格の対象であれば、定格点での IE クラス | すべての負荷での効率だと受け取る |
| 定格 | S1 連続が既定。S2 と S3 はサイクルを伴う | 短時間定格のモーターを連続運転とみなす |
| 絶縁クラス | 絶縁システムの熱的クラス | 許容温度上昇だと受け取る。多くはクラスF システム、B 種上昇 |
| 保護方式 | IEC 60529による IP コード | 試験条件ではなく品質等級だと受け取る |
| 取付方式 | 足付き、フランジ、両方。フレーム寸法が付随する | NEMA と IEC のフレームが互換だと決めつける |

保護とケーブルを選ぶときは定格電流を見ますが、始動電流は別に考慮してください。電圧と周波数も合わせて検討すべき項目です。400V・50Hz と480V・60Hz は、どちらも8V/Hz の比になります。しかし、そのモーターがどちらの電源で運転できるかは、定格電圧・周波数・設計で決まります。IEC 60034-1は定格と性能の許容差を扱っています。
起動はモーターにとって最も厳しい動作
停止状態の誘導機は、電流を制限する逆起電力がほとんどないため、巻線インピーダンスが初期電流をほぼ決めます。設計と電源によりますが、直入れの始動電流は定格電流の6〜8倍程度が一般的で、加速するにつれて下がります。これは想定内の挙動ですが、始動条件と保護設定がかみ合っていないとトリップします。
保護装置、ケーブル、電源は、始動電流とその持続時間に耐える必要があります。定格電流ぎりぎりに設定した保護装置は、起動中にトリップすることがあります。長い始動は、細いケーブルを過熱させます。電源容量が小さいと電圧降下が起こり、得られる始動トルクが下がります。
始動方式は、モーターとは別の調達判断です。
- 直入れ:全電圧で、始動トルクも突入電流も最大。最も簡単で安価、小型機の多くに適します。
- スターデルタ:直入れに比べて始動電流と始動トルクを下げ、多くは約3分の1になります。低いトルクでも加速できる負荷に適します。
- ソフトスタータ:印加電圧を徐々に上げて、始動電流と機械的衝撃を抑えます。電圧が下がる分だけ始動トルクも下がるので、負荷の起動トルク要件を確認してください。
- 可変周波数駆動装置:周波数と電圧を制御し、起動中の速度とトルクを管理します。直入れの突入電流は避けられますが、負荷を加速している間はドライブと電源に電流が流れます。
運転中のモーターが1相を失っても残りの2相で回り続けるため、起動失敗と運転中の故障は、原因の異なる別の故障です。両者の電源側の診断は汎用モーターに、日常点検の項目は三相誘導電動機の保守にまとめています。
回転数を変える3つの方法とコスト
出力回転数は、モーターと、モーターから負荷までの機器で決まります。一般的な選択肢は極数切替、減速機、可変周波数駆動装置の3つで、コスト・効率・トルク特性がそれぞれ違います。
| 方法 | 仕組み | 得られるもの | コスト |
|---|---|---|---|
| 極数切替 | 固定子巻線を別の極数に結線し直す | 2〜3の離散的な速度、各速度で全トルク | 安価だが連続的な範囲はない |
| 減速機 | 減速比で回転数をトルクに振り替える | 任意の固定出力回転数、トルクは比倍 | 動力の5〜15%、加えて体積とコスト |
| 可変周波数駆動装置 | V/f をほぼ一定に保ちながら周波数を変える | 連続的な速度、零速からの制御トルク | ドライブ費用、加えてモーターの減定格と軸電流 |
基底速度以下では、電圧と周波数を合わせて制御し、モーターが適切に冷却されていれば、ドライブはほぼ一定のトルクを維持できます。モーターとドライブの組み合わせによっては、10%の速度でも定格に近いトルクを出せます。基底速度を超えると電圧が制限され、トルクは回転数とともに下がるのが一般的です。150%の速度では、得られるトルクは定格の数分の1になることがあります。実際の限界はモーターとドライブで決まります。可変速モーターの仕組みを参照してください。
減速機は回転数をトルクに振り替え、その過程で一部の動力を失います。出力トルクは入力トルクに減速比と減速機効率を掛けたもの、出力回転数は入力回転数を減速比で割ったものです。たとえば10:1・効率90%の減速機なら、1440rpm で26.5N·m が、144rpm で約240N·m になります。減速機と別形式のモーターのどちらを選ぶかはギヤモーターと BLDC モーターの比較で扱っています。
効率は「点」であり「性質」ではない
効率は、ある運転点における出力を入力で割った値で、その点は規格に明記されています。IEC 60034-30-1は、対象となる0.12kW から1000kW の単速・電源駆動 AC モーターについて効率クラスを定義しています。クラスは、すべての負荷における効率だと読むべきではありません。
損失のバランスは負荷で変わります。銅損は電流が下がると減り、鉄損と風損の変化は小さいため、効率は全負荷より下で最大になることが多い。大幅に過大なモーターは、その最大点から離れた状態で運転する時間が長くなります。個々のモーターの効率曲線を確認してください。
欧州連合では、規則2019/1781が、対象となるモーター形式と出力範囲に最低効率を定めています。対象となる三相モーターの0.75kW から1000kW について2021年7月から IE3 を、特定の対象モーターの75kW から200kW について2023年7月から IE4 を要求しています。適用除外があるため、個別のモーターに当てはめる前に適用範囲を確認してください。電源駆動機と電子整流機の区別はモーターの効率クラスを参照してください。
クラスより効く数字は年間運転時間です。資料の試算では、15kW の IE3 モーターは IE2 に対して約1.5ポイント効率が良く、年間4000時間では数百 kWh に相当します。試算を使う前に、実際のモーター効率と負荷プロファイルを確認してください。回転数の誤りや長時間の低負荷運転もエネルギー使用に影響し、クラス間の差より大きくなることがあります。
駆動系を決める6つの質問
使えるモーター仕様は、6つの問いに答えられるものです。6つすべてに答えがあれば、サプライヤは1日で見積を出せるかもしれません。出力定格だけでは、重要な選定情報の5つを推測に委ねることになります。
- どの回転数で、どのくらいのトルクか。両方の値を示してください。機械が既に出来ているなら、出力軸で実測したトルクが最も有用な数値です。
- どの負荷曲線か。定トルク、二乗低減、定出力のどれか。これで可変速に価値があるか、どれだけの始動トルクが必要かが決まります。
- どの定格で、起動は何回か。連続か間欠か、1時間あたりの起動回数、負荷がトルクに抗して起動するか。熱は運転からも起動からも出て、片方に定格されたモーターがもう片方に耐えないことがあります。
- どの環境か。周囲温度範囲、標高、異物、洗浄、腐食。標準条件と、そこから外れた場合の減定格は汎用モーターにまとめています。
- どの電源か。電圧、周波数、電源品質を示してください。電圧不平衡と高調波はモーター性能に影響します。
- どのくらいの寿命と保守間隔か。手を入れずに済むブラシレス駆動と、1500時間ごとにブラシを要するブラシ付き駆動は、同じ購入価格でも総コストが違います。
最初の2つの答えでモーター形式が絞られ、電源・環境・保守の要件で、候補がその設備に合うかが決まります。製品例は高トルク AC ギヤモーターと高トルク BLDC モーター技術ガイドを参照してください。
モーターについてよくある思い込み
| 思い込み | モーター側の実際 |
|---|---|
| 「極数を増やせばタダでトルクが増える」 | それは算数であって、贈り物ではない。同じ出力なら極数を倍にすると回転数が半分、トルクが倍になるが、質量・体積・価格も一緒に上がる。 |
| 「大きいモーターのほうが安全」 | 負荷率がおよそ4分の3を超えると、効率が落ちて力率が崩れる。過大なモーターは温度が低い代わりに、生涯を通じて無効電力を浪費する。 |
| 「IE クラスが高いほど電気代が安い」 | 運転時間と負荷率がそれを支える場合に限る。クラスは定格点で定義されており、軽負荷のモーターはそこに到達しない。 |
| 「ドライブは常に省エネ」 | 実揚程の低い二乗低減負荷では効く。定トルク負荷では削減は減速分に比例し、高実揚程の増圧機では削減が現れる前に流量が崩れることがある。 |
| 「BLDC は DC とは別の分類」 | BLDC は電子整流の DC モーター。有用な区別は、整流が機械式か電子式かであって、名前の文字ではない。 |
| 「減速機を入れれば出力が上がる」 | 回転数をトルクに振り替え、その過程で少し失う。出力は必ず入力より小さい。 |
こうした思い込みは、ある負荷や運転点で成り立つルールが、別の条件では成り立たないことから生まれます。トルクと回転数の曲線を比べると、どこで差が効くのかが見えます。
参考文献
- International Electrotechnical Commission. (2022). IEC 60034-1:2022: Rotating electrical machines, Part 1: Rating and performance. IEC. https://webstore.iec.ch/en/publication/65446
- International Electrotechnical Commission. (2014). IEC 60034-2-1:2014: Standard methods for determining losses and efficiency from tests. IEC. https://webstore.iec.ch/en/publication/121
- International Electrotechnical Commission. (2025). IEC 60034-30-1:2025: Efficiency classes of line operated AC motors (IE code). IEC. https://webstore.iec.ch/en/publication/91195
- International Electrotechnical Commission. (2016). IEC TS 60034-30-2:2016: Efficiency classes of variable speed AC motors (IE code). IEC. https://webstore.iec.ch/en/publication/30830
- International Electrotechnical Commission. (2013). IEC 60529:1989+AMD2:2013: Degrees of protection provided by enclosures (IP code). IEC. https://webstore.iec.ch/en/publication/2452
- International Electrotechnical Commission. (2017). IEC 61800-9-2:2017: Ecodesign for power drive systems, motor starters and power electronics. IEC. https://webstore.iec.ch/en/publication/111276
- National Electrical Manufacturers Association. (2021). NEMA MG 1: Motors and Generators. NEMA. https://www.nema.org/standards
- European Parliament and Council. (2019). Commission Regulation (EU) 2019/1781 laying down ecodesign requirements for electric motors and variable speed drives. Official Journal of the EU. https://eur-lex.europa.eu/eli/reg/2019/1781/oj
- European Parliament and Council. (2023). Regulation (EU) 2023/1230 on machinery and repealing Directive 2006/42/EC. Official Journal of the EU. https://eur-lex.europa.eu/eli/reg/2023/1230/oj
- U.S. Department of Energy. (2024). Motor systems: energy efficiency and system optimisation. Advanced Manufacturing Office. https://www.energy.gov/eere/amo/motor-systems
よくある質問
Q: 電動モーターについて最初に何を理解すべきですか?
まず負荷が要求するトルクと回転数から始めてください。4kW のモーターは1440rpm で約26.5N·m を出します。同じ出力で340rpm なら、減速機損失を除いて約112N·m に相当します。出力定格だけでは、どちらのモーターが特定の負荷に合うかは分かりません。
Q: 同じ出力で回転数が違うと、なぜトルクが変わるのですか?
トルクは出力を回転数で割ったものです。T = 9550 × P / n。同じ出力なら、回転数を倍にするとトルクは半分になります。たとえば4500rpm で90W の芝刈機ブレードモーターは0.19N·m、57rpm で32W の車輪モーターは5.4N·m を出します。約3分の1の出力で、約28倍のトルクです。
Q: 主なモーター形式はどう違うのですか?
電流をどのように整流するかが違い、それが始動トルク・速度制御・保守に影響します。ブラシ付き DC は機械式整流でブラシ交換が必要です。BLDC と PMSM は電子式整流です。誘導機は回転子と磁界のすべりを利用し、可変速運転には一般にドライブを要します。ステッピングとサーボは位置決め用に選ばれることが多い形式です。
Q: 起動時に定格電流の6〜8倍が流れるのはなぜですか?
停止状態では逆起電力が小さいため、直入れの始動電流は定格電流を大きく上回ることがあります。始動電流自体は想定内ですが、保護・ケーブル・電源がその始動条件に適している必要があります。繰り返しトリップする場合は、電源・保護・負荷のいずれかに問題がある可能性があり、診断が必要です。始動後は正常に回るモーターでも、朝の起動時に遮断器を落とすことがあります。
Q: 減速機を入れると出力は上がりますか?
減速機は回転数をトルクに振り替え、その過程で一部の動力を失います。出力トルクは入力トルクに減速比と減速機効率を掛けたもの、出力回転数は入力回転数を減速比で割ったものです。したがって出力は入力より小さくなります。ギヤモーターは、低回転・高トルクを必要とする機械に適します。
Q: 効率クラスが高いほど常に運転費が安いのですか?
そうとは限りません。実際の効率曲線、年間時間、負荷、購入価格を比較してください。4分の1負荷で運転するモーターは、定格点の値と異なる効率になります。年間使用が少なければ、高い購入費を回収できるだけの削減は見込めません。
デューティ点に合うモーター形式が分からない場合は、トルク、回転数、デューティサイクル、電源の条件をお問い合わせページからお送りください。

